Essais: Boring Days
とある高校生のどうでもいい随想録
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ike

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17歳の某都立高校3年 男。
林檎教信者 もとい Macユーザー
実は結構 貧乏なもので、
授業料は全額免除・奨学金受給者だったりする。

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夢中継

新校舎の、化学物質臭漂う 真新しい視聴覚室。
去年の世界史のS先生が教壇に立って、普段通りの授業をしていた。

ここはイスラム圏の国だった。
私の前の列には 同い年か少し下くらいの男の子と女の子が、
授業中なのに なぜか こちら側を向いて座っている。
私は隣のクラスメイト Tと一緒に
彼らとコミュニケーションをとろうとしていた。

そういえば窓から岩のドームが見えたが、
女の子が全身隠さずにいるくらいだから戒律の緩い国だったのだろう。

それはともかく、彼らはおそらくアラビア語で話しかけてきていたので、
言いたいことがまったく分からなかった。
こちらが困っていると男の子が口の前で×印を作った。
「ダメか?」
そう訊かれていると感じたので頷きながら同じ動作をしてみると、
通じたらしく、話しかけるのをやめてくれた。

脈絡なく、
「英語は分かる?」
という英語が私の口を突いて出た。
その瞬間から、私たち四人は英語でしゃべりあった。
周りに人はいたようだったし、いないようでもあった。

ほどなく終業のチャイムが鳴った。
日本語で授業をしていたS先生が教室を出て行くと、私たちも廊下を歩き出した。
隣を歩く「クラスメイト」は常にTというわけではなく、
歩いているうちに女にもなったし中学の同級生の顔になっていることもあった。

気がつくと、私は階段の前で一人だった。


私はユニフォームを着てバドミントンのラケットを提げているのだった。
「着替えなくては」
という考えがどこからか湧いてきて、私は階段を下りて
一階の玄関脇(!)にある着替えスペースのような場所に向かった。
そこは廊下のすぐ横で、カーテンも何もないのだが、
服を入れるためにあると思われるロッカーが設置されていた。

着替えはあっという間に終わった。
普段着になった私は、カバンを持って
玄関ホール(ドイツのケルン大聖堂の回廊だった)から外に出た。

イギリスで乗ったウィンダミア湖の遊覧船のデッキが、
高校の同学年の人たちでごった返していた。
遊覧船は確かにウィンダミアの湖上を走っていたが、富士山も見えた。

ふと右のほうを見ると、岸の辺りに滝があってそこに虹が出ていた。
「虹だ!」
いつの間にか首から提げていたカメラを持ち上げながら言うと、
右から体育のI先生、左から同級生のSさんが押してきて、
私は写真を撮ることができなかった。

二人はカメラを持っていた。
I先生もSさんもカメラとは縁遠い人種なのに、
コンデジのI先生はともかくSさんは立派なカメラを持っていたのだ。
そのカメラをよく見たら、αシリーズのフルサイズ機(未発売)で、
しかもレンズは私が欲しいと思っているものを付けている。

羨ましいなあと思いながら先ほど虹の出ていた方向に目をやると、
私は真夏の日本にいた(きっと布団の中が暑くなってきたのだろう)。
生け垣に囲まれていて、どうやら長野のとある田舎の景色である。

修学旅行に来ているようだった。
沖縄に行ったときのバスガイドさんが旗を持って生け垣の中を進んでいく。
私たちクラスの面々はそれに続いて歩いていった。

生け垣は途中から田舎の住宅地になり、日なたが多く暑くなってきた。
みんな かなり汗をかいている。

突然、道路脇の塀の下にしゃがみこんでいる人が視界に入った。
中学のH先生だった。技術科の先生だ。
漫画か何かで見た「失業して路頭に迷った人」と同じしゃがみ方をしている。

先生が顔を上げたので私は声をかけた。
先生と何か話している私の姿が見える――遠ざかる自分――。


小鳥たちのさへづりが聞こえる。朝だった。




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